はじめに
趣味・嗜好が多様化する現代、意見の食い違う人と関わることは多々あります。他社から賛同を得るためには、この「客観性」が重要なのですが、世の中には無自覚な自己中心人間がなんとも多いのです。
そもそも、自分は「客観的」な思考をしているかどうかを自分で判断するのは困難です。
そこで紹介したい本がこちらです。
「メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 著:細谷 功」
客観的なものの捉え方 → メタ思考について、
- 読者がメタ認知をできているかのチェック
- メタ思考の重要性の解説
- メタ思考のトレーニング
が掲載されています。特に、メタ思考のトレーニングでは、タイトルに有るように、34の例題にそって読者が自然と考えられる構成になっており、「体験的学習」が自然と行えます。
読み進め、頭を悩ませるうちに、メタ思考の特徴や方法が自然と身につく、そういった構成になっています。
この記事では、本書で記載された具体例をもとに「メタ認知」ができない人の特徴やその残念さや、メタ思考を身につけるメリット紹介します。自分自身の思考を見つめ直すきっかけにしていただければと思います。
自分勝手さを思い知ろう
まずは、以下の7つの項目のうち、自分にいくつ当てはまるのかチェックしてみましょう。
1.「貸した金」はいつまでも覚えているが、「借りた金」はすぐに忘れる
2.「いまの若い人」は頼りなく見える
3.「自分だけが損をしている」「あの人だけが得をしている」とよく思う
4.他人のことは安易に一般化するが、自分は特殊だと思う
5.他人の失敗は「実力がないから当然だ」と思うが、自分の失敗は「運が悪かった」と思う
6.他人に対しては「一部分だけを見て正論を吐くな」と思うのに、自分は一部分しか見ない(ことに気づいていない)で他人に正論を吐く
7.「上司の短所」はいくらでも挙げられるが、自分は「良い上司」だと思っている
メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 著:細谷 功
これはの項目が自分にどれだけ当てはまっているのかチェックすることで、自分がどの程度の「無意識な自己中思考」をする人間なのかを知ることができます。
1つ2つは誰しも当てはまるでしょうが、3つ以上当てはまるとなると、「無意識な自己中心人間」と認めざるを得ないでしょう。
さらに最悪のパターンとしては、自分は正常だというバイアスから、ありのままチェックすることができないことです。ここまで行くと、自分の考え方を改める機会はかなり薄くなっていることでしょう。
メタ認知とは
メタ認知とは、あるものを一つ上の視点から客観的に見てみるということです。メタ認知は自分を客観視するためには必須の思考法です。以下、メタ認知が重要な理由を紹介します。
成長するための気づきが得られる
成長するためには、自分が何を理解していて、何が理解できていないのかを正確に把握することが大切です。自分がわからないことを学習する学生と、何が分かっていないのか理解せずに闇雲に問題を解く学生では、どちらが成功しやすいか明白です。自分自身への気づきが成長の糧となります。
思い込みや思考の癖から脱する
これらは、前述の「気づき」の妨げとなるものです。自分が間違っているかもしれないと思うことで、自分自身への新たな発見は生まれます。
創造的な発想ができる
思い込みから脱却し、「なぜ?」「もしかしたら?」という思考が身につくことで、これまでなかった新たな発想が導かれるようになります。自分の認知する世界を広げることで、斬新なアイデアの組み合わせや、他の領域の成功パターンを自分の関連領域への再展開ができるようになります。
メタ認知を習得が、自らの成長、クリエイティビティに繋がりるのです。
メタ認知ができない人の特徴6選
ここまで、メタ認知のメリットを紹介しましたが、次はメタ認知ができない人の特徴を示すことで、メタ認知ができないことの「残念さ」を述べます。
メタ認知ができない人の特徴の例を以下に示します。
・感情に任せて行動する人
・思い込みが激しい(事に気づいていない)人。
・常に具体的でわかりやすいものを求める人。
・(根拠のない)自信満々の人
・他人の話を聞かずに一方的に話す人
・「自分(の置かれた環境)は特別だと思う人
メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 著:細谷 功
こうした特徴を持つ人と一緒に仕事をしたい、仲良くしたいとは思いませんよね。思い込みが強い人は、もしかすると周囲の人々からこう思われてるかもしれませんね・・・。(更に言うならば、それを自覚することすらできていない)
さらに残念なことに、メタ認知をできない人は、自分自身の視野の狭さを省みることもしないため、こうした特徴が改善される可能性は低く、むしろ拍車がかかる傾向にあります。
メタ認知を習得する
これまでを通じて、メタ認知に興味を持った人に向けて、メタ認知の習得について紹介したいと思います。訓練をすれば誰にでも身に着けられるスキルですので、日常の中で意識してみてはいかがでしょうか。
メタ認知が得意な人は自虐ネタがうまい
日頃から「自分は間違っているかもしれない」と頭の片隅においておくことが重要になります。この考えがあれば、自分と違う人の意見と出会した際に取る反応が変わってくるのではないでしょうか。「無知の知」という言葉があるように、知らないことを知らないという状態は、自分自身の成長を妨げるとともに、他人からの信頼を失いかねない危うい状態です。メタ認知の第一歩として、自分自身を疑うことから始めてみましょう。自分の考えに自分でツッコミを入れてみると良いでしょう。
「なぜ」を考える
一般的に、会話の中で「なぜ?」を連発すると悪い印象を生んでしまいますが、メタ認知では「なぜ?」が重要です。特に日本人は「なぜ?」と言われることを嫌う傾向にあるようです。必ずしも口に出す必要はないので、些細なことでも頭の中で「なぜ?」を考えてみましょう。
逆に考えると、「誰にでも好かれる人」はメタ認知のレベルが低い可能性が考えられますね。(ひがみのようですが・・・)
共通点を探す
自分と他人の共通点を考えることで、自分が特殊であるという意識から開放されます。例えば、「自は怪我をしたから成功できない」と思う人は、「同じような怪我をしても、それを乗り越えて成功した人がいる」という事実に目を向けるべきです。
また、世の中の成功パターンは繰り返されることが多いので、一見関連のないものに関連性を探すトレーニングは、ビジネスに於いても非常に重要と言えます。一時期流行した「なぞかけ」は共通点探しのトレーニングに最適ですので、自作のなぞかけを考えてみるのも良いかもしれません。
まとめ
- 無意識のうちに自分は特別だと思いがち
- メタ認知とは一つ上の視点から客観的に見てみること
- メタ認知のメリットは以下の3つ
- 成長の気づきが得られる
- 思い込みから脱却できる
- 創造的な発想ができる
- メタ認知ができない人は、思い込みに拍車がかかることが多い
- メタ認知を鍛える方法3つ
- 自分自身にツッコミを入れる
- なぜ?を考える
- なぞかけをやって、共通点探しをしてみる
おわりに
考え方に少し手を加えることで、見える景色が大きく変わります。自分自身の考え方をアップデートするには、読書が一定の効果を発揮してくれると思います。
メタ認知について詳しく知りたい、もっと具体例を見てみたいと思われた方は、「メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 著:細谷 功」を手に取ることをおすすめします。本著は、Kindle prime readingで無料で読むことができます(2021.10現在)。気になる方はぜひお試しあれ。
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