原因論ではなく目的論とは

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かの有名な著書「嫌われる勇気」を読んだ感想を記します。
本書は哲学者アドラーが生み出した、「アドラー心理学」をテーマにした、人類の悩み解消本となっております。

哲学や心理学というと、難解で読みづらいイメージがあるかもしれませんが、始終対話形式で書かれている本書は、気づけば読み終わってたというくらい、サクサク読める点が特徴的です。

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
おもしろさ ☆☆☆
役に立つ ☆☆☆☆
読みやすさ ☆☆☆☆

 

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おすすめの理由

本書のおすすめ度は☆☆☆☆☆です。
周りの友人の首根っこを捕まえて、悪いこと言わんからこの本は読んでみて。
と進めたくなるような本でした。

この本を読むことで、われわれの常識とはことなる、有益な考え方を身につける事ができます。
しかも、その考え方は非常にシンプルで、その気になれば誰もが明日から変われます。

おすすめの理由はいくつかあるのですが、最大の理由は、
アドラー心理学に基づいた、シンプルで一貫した主張です。

「さっきと言ってること違うやん」という上司や友人が身の回りに少なからずいるかと思いますが、その人の話を聞いて納得したり、理解しようとするでしょうか。

本書は、相談者の「青年」とアドラー心理学を学んだ「哲人」の会話形式で進められます。
この「青年」がなかなかの熱い青年で、さまざまな悩みや意見を「哲人」に投げかけます。
すると、「哲人」は一見常識とは反するような、ユニークかつシンプルな解答を繰り広げるのです。

アドラー心理学は常識とは異なる、ユニークで有効な考え方を提唱しています。
そのため、私も読みながら、「本当にそんなこと言えるのかな?」と疑問になるシーンが何度かありました。そう思うたびに、「青年」が哲人に対し鋭い指摘を繰り広げてくれるのですが、どんな指摘に対しても「哲人」の迷いのない一貫した主張は崩れることはありません。

常識とはことなる、シンプルな考え方。
他の本では出会うことが無いであろうユニークさが魅力です。

感想

あまりに有名な本ですので内容は解説されつくしていると思われます。
そこで、私は特に印象に残った部分を解説し、
「読後感」や「キーワード」をお伝えします。

やれない理由を作り出すな

「友人のように誰とも気さくに話したい」などと思いはするけれど、次の瞬間には

「人見知りな自分には無理だ。あのひとはすごいな。」

と思ってしまった経験はないでしょうか。
結論から言うと、これは気さくに話しかけて嫌われたり変な人だと思われることを避けたいと思っているに過ぎないと捉えます。

自分は人見知りだから・・・という原因は全く存在せずに、
嫌われたくない・・・という目的のみが存在しています。

一見自分の性格やキャラクターが原因だと思いますが、これはやらない理由をこしらえているに過ぎず、本質的には嫌われたくないだけです。

アドラー心理学では、原因論ではなく目的論が正しいと説明されます。

今日はランニングをしようと思っていても、家でYoutubeを見ているうちに、
「今日は小雨だしやめとこう」と思ってしまうのは、結局の所ランニングをせずに、このままYoutubeを見ているのが楽で快適いられるという目的があるからです。

やらない理由はいくらでも見つかるので、そもそも理由ではなく、「目的」で行動していると自覚したいと思いました。

また、やらない理由を作り出すことで、「本気の自分にはできる」という可能性を消したくない目的も存在しています。

敵を作っているのは自分

無意識のうちに他人と比較して、自分が惨めに感じたり
逆に他人を見下したりしてしまうのが人間です。

しかし、これらのことが以下に無意味で、自分の幸せを遠ざけているでしょうか。

私達は、今の自分をもとに戦うしかありません。
結局の所、他人がどうより、自分がどうするかを考えるしかありません。

アドラー心理学では、人間の行動面と心理面の具体的な目標が設定されています。

行動面の目標は「自立すること」と「社会と調和して暮らせること」
心理面の目標は「私には能力がある」と「人々はわたしの仲間である」という意識。

この中で、「人々は私の仲間である」意識を持つことが、かなり面白い考え方だと思いました。

思い返せば、部活動ではレギュラーを争い、受験では合格の席を争いと、社会に出れば高収入を目指しと、私達の生活は、他の誰かに打ち勝ち、幸せを手にすることが当たり前になっていました。

しかし、見方を変えれば、同じような目的を持った仲間とも捉えられます。
あなたは、仲間と共に、「ここにいてもいいんだ」と思いながら過ごすのと
敵に囲まれ、「周りの人間に打ち勝って幸せになる」と思いながら過ごすのとでは
どちらが満足感のある人生を送れると思いますか。

周囲が敵か味方かを決めているのは自分自身です。

味方の多い生活を送るためには、自分自身がそういう生活を選ぶというのがアドラー流の考え方になります。

現在の自分を受け入れ、他人を受け入れ、同じように生きる仲間だと思えば、そこがあなたの居場所になります。尊重しあえる関係もつくれます。

アドラーの考える対人関係のゴールは「共同体感覚」にあります。
他人を味方だとみなし、自分はそこにいてもいいと思えることが理想的な対人関係です。

収入の多さや私生活のの充実具合で他人と競っても幸せは見つかりません。

自分を受け入れ、周囲を味方だと考えるだけで、会社での時間も少し気が楽になりました。

簡単なことですが、幸せになるちょっとした勇気の話でした。

 

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