はじめに
「伝える力」は鍛えることができます。
この能力が仕事やプライベートの充実度を大きく左右することに疑いはないでしょう。
「バナナの魅力を100文字で伝えてください 著:柿内尚文」
を通じて学んだ内容をさくっとまとめてお伝えします。
大切な能力ではありますが、伝える行為に苦手意識を持っている人は少なくありません。
しかし、それは効果的に伝わる方法を知らないからです。
ちょっとした心掛けで、伝わり方は何倍にもなるのです!
読後感
「読めば納得、でも意外とできていない。」
この本では、コミュニケーションを通じて人間関係をよくするヒントで溢れています。
本一冊分の知識を知っているか知らないかだけの違いで、
コミュニケーション能力に大きな差が生まれ、それにより人間関係、日々の充実感が変わってきます。
日々の経験からコミュニケーションから伝える力を学ぶのも大切ですが、「あるべき伝え方」を知った上で、日々実践するのが効率的だと思います。
「伝える」をテーマにしているだけあって、とてもわかりやすい表現で具体例を交えて描かれています。
読書が苦手な人でも読みやすいですよ。
キーワード
個人的に重要だと感じたキーワードを選出。
・自分ごとに感じてもらう
・相手ベース
相手に伝わる7つのステップ
上手に伝えられるようになるためには、「伝わる」とはどういうことかを理解すべきです。
わかりやすく7つのステップに整理されているので、これは丸暗記してもいいかもしれません。
1.ゴール設定
なんのために?を明確にしましょう。
アイスブレイクのため?相手と仲良くなるため?
2.納得感
つまりは「腑に落ちる」と言うこと。
納得感がないと伝わったことにはなりません。
「あなたが言っていることはよくわからない」というのは、納得感を得られてはない状態です。
「あなたの言っていることはわかるけど、・・・」となれば、納得感を得られて状態だと考えてください。
3.相手ベース
伝えるではなく、伝わることが大切です。
主語を相手におきましょう。
相手がわかるように、相手を中心に伝えましょう。
4.見える化
このカレーめっちゃおいしい
他のカレーとどう違うか、ポイントはどこ
うまいレポーターはカレーの美味しさを見える化できるんです。
見える化とは何か。
五感を刺激して、相手にリアリティを与えることです。
5.聞く力
「営業の仕事は、相手に必要な商品を紹介する」
会話の中から、「必要性」を見つけることが大切です。
必要性を見つけ出し、相手に伝えるのが一番です。
自分から押し売るのはNGです。
人は自分で選んで買いたいのです。
返報性の原理
商品と関係ない話をしたことで、聞いてもらったという恩により、
商品を買ってあげたいという気にさせるのです。
6.親近感
嫌いな人の話は入ってこない。
嫌いな人の言うことは聞く前から否定したくなってしまうのです。
一方、好きな人、特にお気に入りのYoutuberが紹介した商品だったら、興味を持ち、場合によっては商品を購入するに至るかも知れませんね。
- 共通点を見つける
- 相手に興味を示す
- 自分のダメをさらけだす
- 笑顔
7.信頼感
同じことを言っても、信頼感がないと伝わりません。
信頼感を得るためには、信頼の構造を理解しなくてはいけません
信頼感を作る7つの要素
- 誠実さ、素直さ → 話を聞く
- スキル、能力
- 結果、成果
- 接触頻度
- モラル
- 関心 → あなたに関心がありますと伝える
- 意義、価値、動機
伝わる技術
ここからは、具体的な技術を身につけていきましょう。
比較の法則
魅力は比較をすることで明確になります。
比較は日常でもよく使われています。
例えば、スーパーで「この商品が売れています」というポップがあると、つい手が伸びてしまうものです。
比較の効果を大きくするためには、ダメなところは正直に伝えることが大切です。
簡単にできて伝え易い
フリオチの法則
話が詰まらない理由は、「フリ」不足かも知れません。
フリを入れることで、結論の価値が高まります。
キーワードは振れ幅!!
「〇〇なのに・・・」を前に振ってあげるだけで、相手の関心を引くことができます。
・引き算
「ウチの子は東大に合格した。」
「ウチの子は高校二年まで全く勉強してなくて、偏差値も低かったのに、現役で東大に合格した。」
・足し算
「とても美味しいウナギ」
「和食一筋30年の職人が、こだわりの備長炭で焼き上げた最高のウナギ」
・プロセスを見せる方法
「すごく欲しかったスニーカーを買えました」
「すごく欲しかったスニカーがあって、店を10件以上回ってやっと買えました。」
ファクトとメンタルの法則
ファクトとメンタルは使い分けましょう。
また、ファクトとメンタルを組み合わせることで、相手の感情を動かす表現になるのでうまく使いましょう
ファクト
上司が部下を叱責している場面を見てみましょう。
なぜちゃんと報告をしなかった?そのせいでトラブルが大きくなったじゃないか!
「ただ上司は怒りたいだけ」「マウントを取りたいから怒っている」
前半はファクトですが、後半にメンタルがまざっていて、部下からすると冷めた目でみられることもあります。
ファクトを伝えたいのに、メンタルが伝わってしまうというミス・・・
こうした場合には、ファクトのみを伝えましょう。
メンタル
次はある家庭の妻と夫の会話を見てみましょう。
今日会社で、私のせいじゃないのに、ミスを私のせいにされたの。信じられない。
それはひどいね。その原因はお互いのコミュニケーション不足にありそうだから、今後はコミュニーケーションを増やしたらどう?
こんな答えでは妻の気持ちは収まりません。
妻は、ただメンタルを伝えているので、ファクトで返しては話が噛みあわないのです。
いまはファクトの話をしているのか、メンタルの話をしているのか。
これを意識するだけであなたのコミュニケーション能力はワンランクUPしますよ。
ファクトからメンタル
ここが一番大切です。
なぜなら、ファクトとメンタルを組み合わせることで、相手に感動をもたらすからです。
「味がよく染み込んでて(ファクト)、とっても美味しい。(メンタル)」
「すぐおいしい(ファクト)、すごくおいしい(メンタル)」
「すごい高音出てたね。(ファクト)心にグッときた(メンタル)」
メンタルを伝えたい時に、ファクトを絡めることで効果的に伝わりませんか?
脳内チューニングの法則
相手が言いたいことに対して、自分の解釈をしてしまうと、会話がチグハグになり
「こんなことが言いたいわけじゃないのに」とすれ違うが生まれます。
相手の立場を発見することが大切です。
- ゴールを共有する
- 質問でチューニングする
- お互いの頭の中を見える化させながら進める
ネーミング
ネーミングにより、対象の捉え方が変わってきます。
名前は情報を正確に表現すればいいのではありません。
情報を名前にするのではなく、名前が情報を形作ります。
ネーミングは、相手に見える化させるためにはとても重要な要素です。
外部力を使う
プロがおすすめ!
賞を受賞!
テレビで紹介!
のように、外部の情報を付け足すことで、信頼性や価値を高める方法です。
相手メリット
相手メリットで伝えることで様々な恩恵があります。
「すみません、今混んでいるので、もう少しお待ちください」
「すみません、今美味しい料理を一生懸命作っておりますのでもう少しお待ちください」
後者の方では、客に対して料理への期待感を高めることができます。
このように、マイナスの状況でも、相手メリットで伝えることでプラスに伝えられます。
相手メリットに変換する方法
- 浮かんだ言葉はそのまま伝えない
- 相手の頭の中の状態を想像する
- 相手にとってのメリットデメリットを想像する
- 相手にとっての優先度が高いことを、相手にメリットがあるように伝える
部下が先輩から頼まれた仕事を断っている場面を見てみましょう。
この仕事急ぎなんだけど、やってもらえる?
いま進めているAプロフェクトの成果を出すために、いまはそこの注力しています
先輩も成功させたいと思っているAプロジェクトですので、この状況で部下に仕事を頼むのは難しいと自然と理解することができます。
本能の言語化
本能を言語化することができれば、相手に「伝わる」言葉になります。
では本能を言語化するにはどうすればよいのでしょうか。
セルフ問答
気になったことについては、「なんでそうなのか」を自問自答してみましょう。
質問を繰り返しているうちにだんだんと本能に近い答えが導かれます。
その他
- 読点を巧みに使う
- 体言止めでインパクトアップ
- 自分ごとで興味関心を高める(クイズなど)
- 相手を思いやる優しさが伝えてくれる
- マウントを取りたいだけの人にはゴールを確認
- 質問を深めていく(YES/NOはよくないかも)
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