【幸せになる勇気】アドラー心理学の「過去など存在しない」とは。

 

大ヒットロングセラー「嫌われる勇気」の続編である「幸せになる勇気」を読破しました。
嫌われる勇気だけでは書かれていなかった、「アドラー心理学」の奥底を学ぶことができました。
そして、単純に読んでて面白かった。

「嫌われる勇気」、「幸せになる勇気」に2冊を読んだ私にとって、アドラー心理学は以下のような位置づけになります。

「人間として本質的かどうかはわからないけど、実践することで心が楽になる思考法」

100%納得しかねる部分もありましたが、ストレスフルな現代社会を生きる私達にとって、非常に有益な考え方に溢れていました。

本日はその中で、特に心に残ったひとつの学びについて解説します。

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過去は現在の私が作り上げている

テーマとしては、「そもそも過去などは存在せず、現在の私達自信がある目的のために形成している」という話を通じて、「自分の人生は自分で選ぶことができる」ということをお伝えしようと思います。

そのために、まずはアドラー心理学の基本的な考え方の一つである「目的論」について解説し、具体的な話題を取り上げ、個人にとっての過去とは何かを紐解いていきます。そして、最後には、自分自身の人生は、自分で決めることができるという感覚を身に着けてもらいたいと思います。

目的論とは

まずは、アドラー心理学の基本的な考えのひとつ、「目的論」について解説します。

端的にまとめると、「人間の行動は言動は、過去の原因によるものではなく、現在の目的によって決定される」という考え方です。

著書の中では、「家庭環境が悪かったから暗い性格になった」という人に対し、本当は、
「他者と関わることで、傷つきたくない」という目的を叶えるために、「暗い性格」を選択していると指摘します。
家庭環境は、暗い性格を選んだ言い訳に過ぎないと考えます。

私達は、過去の出来事によって決定されるのではなく、その出来事に対してどのような意味を与えるかによって自らの生き方を決定しているのです。

ポイントは、いつでも自分のことは自分で決められるという点です。

本当の意味での過去は存在せず、今の自分を肯定するために過去を選ぶ

いきなり「過去なんてありません。」と言われても簡単には納得できません。そこで、まずは歴史について考えてみましょう。

学生時代に学んだ歴史ですら、厳密な事実ではありえません。発見された書物から、当時の文化や出来事を読み解くことはできますが、そもそもの書物は、「誰か」の手によって書かれたものであり、そこにはなんらかの「解釈」が含まれています。
つまり、厳密な意味での過去は存在せずに、あるのは事実に基づいた「解釈」です。
また、歴史の多くは「勝者」によって都合よく編纂されており、彼らの正当性を証明するために事実が意図的に捻じ曲げられることもあります。

ここで、歴史から個人の過去に話しを移します。すると、私達の考える過去は、実は私達自身の「解釈」に過ぎないということが言えます。

小さい頃に、先生や親から怒られた時のことを思い出してみてください。過去の自分の正当性を説明するために、事実を少しだけ捻じ曲げて話をした経験は無いでしょうか。これはまさに、あなた個人の過去を意図的に作り変える行為であり、同時にその実行がいかに容易いかを説明しています。子供ですらできることですから、大人ならなおさらでしょう。この過去を作り変える、編集する行為は、「現在の自分の正当化」のために行われるというのが、アドラー心理学の考え方です。

詳しくは書きませんが、自分の不幸な経験ばかりを覚えておいて、幸運な体験を忘れる。というような行為も、「過去を形作る行為」にあたります。出来事を選択的に記憶しているのですから、これも解釈のひとつということができますね。
「不幸自慢をする目的」、などについても別の記事で書いていきたいと思っています。

私達は、現在の目的により、過去が形作る。少しでも納得いただけたでしょうか。

人間の脳は経験をもとにリスクを回避するようにできている

「過去など存在しない」と述べたところですが、人間の脳は、過去の経験をもとにこれから起こるできごとのリスクを判断する能力をそなえています。これは危険な環境下で生きるためには必須の能力でした。

このように、アドラーの主張は人間の本能と真っ向から対立することが少なくありません。人間の脳に備わっているスキルを否定するとは、果たしてアドラーは間違っているのでしょうか。

私は、アドラー心理学は「技術」だと考えます。私達の本能とアドラーのどちらが正しいのか、などという議論は不毛であり、自分にとって役に立つならば、アドラー心理学という技術を身に着け、自分自身の価値観を彩ればいいのではないかと考えます。
「目的論」や「過去など存在しない」という考え方は、他人の発言の意図を分析する際に非常に役に立つし、自分自身を客観的に見つめ直す際にも大きな助けになります。

正しいか正しくないかではなく、役に立つかどうかという目線。さらには、どうすれば役立てることができるかという目線で読むとより一層楽しむことができる本ではないかと思います。

アドラー心理学という技術は、多くの人にとって役に立つツールだと思います。

自分の人生は自分で決められる

これまでを通して最終的に言いたいことが、「自分の人生は自分で決められる」ということです。

ここまでを振り返ると、このようになります。

  • 私達は目的に沿って行動しているので、過去なんて関係ない。
  • そもそも、その過去すら私達が現在の目的の為に形作ったものである。

この2点に納得している前提で話を進めると、自分のやりたいことをやれない理由があまり見当たらないことに気づくかと思います。

アドラー心理学は、常識から考えると受け入れがたい部分もありますが、実際に使ってみると想像以上の効果を発揮してくれます。アドラー心理学は「勇気」の心理学とも言われます。自分はいつでも変われるという思いを持ちつつ、タイミングが来たら勇気をもって踏み出す準備をしておきましょう。

幸せになるためには

アドラー心理学では、幸福の本質は「貢献感」にあるとされます。
自分が他人の役に立っているという感覚、自分はここにいても良いという感覚が幸福につながるという考えです。

自分の人生は自分で決められることは分かったけど、決める方向性が分からないという方は、
「他人への貢献」を軸に考えてみてはいかがでしょうか。

 

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